優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!

秘密の関係※49話

小耶子(さやこ)。仕事、クビになったのなら、どこか旅行にでも行く?」

私を励ましてのことだろうが、彼の職業を考えると外で会うことは避けたい。

「行きません」

即答した私を見て、苦い表情を見せた。
気を遣っていると思われたのかもしれないが、自分のためでもある。
週刊誌に自分が載るのは避けたい。
もし、自分の生い立ちが公になれば、安島家が黙ってはいないだろう。
尾鷹の社長となった安島が尾鷹商事を自由にしている今、彼の仕事に圧力をかけることもできる。
ドラマのスポンサーや彼を起用しているブランドへの圧力。
この間のファッション雑誌に載っていた渚生(しょう)は本当に素敵だった。
本人には恥ずかしくて言ってないが、モノクロの写真で腕時計の広告だったのだが、カラーの部分は腕時計だけ。
それなのに渚生の存在感があり、カメラマンが素晴らしい仕事をしていたと言えよう・・・・・。
あまりに素敵なので、そっとファイリングしたことは内緒だ。
そのうち、スクラップブックなど製作してしまいそうな自分が怖い。

「小耶子?」

「なっ―――なんでもありません」

「まだ何も言ってないけど」
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