優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
皆から誉められたけれど、壱哉からはまだだった。

「やり方を変えた方がいい」

「え?」

「商品をもっと見てもらわないと長く使ってもらえない」

「そんなの、契約してみて使ってよかったら、長く使うわよ。まずは契約!そうでしょ?私以外にここまで契約がとれる人材がいる?」

「解約率が高い」

「私のやり方が気に入らないなら、日奈子にでもやらせたら?私の仕事を日奈子ができればだけど」

壱哉の表情が険しくなった。

「どうして日奈子ちゃん?」

渚生は声のトーンを落とした。
日奈子を昔から気に入っていて、自分の妹みたいに渚生は可愛がっている。

「壱哉が最近、おかしいのよ。日奈子をまるで恋人扱いで。だから、これは嫌味よ」

「へー」

渚生はちらりと壱哉を見た。

「悪いけど、渚生。少しだけ席を外して。私、これ以上嫌な女にはなりたくないの」

「いいよ」

渚生はあっさりうなずいた。
テーブルのソファー席に移り、知らん顔していた。
きっと私の気持ちを渚生なら、わかっていたにちがいない。

「私、ずっと壱哉のことが好きだった。いつか、壱哉から私に言ってくれるって思っていたから、言わずにいたの」

壱哉の膝に手を置いた。

「お願い。返事を聞かせて」

壱哉は私の手をとり、膝から離させると、私を見た。
それはまるで―――どこか気遣ような目だった。
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