優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません！
私が顔を赤くして固まっていると、壱哉さんが頬にキスをして笑った。

「支度して朝食を食べに行こうか」

「は、はい」

昨日からすごく触られている気がする……。
もっと痩せておくべきだった。
なんとなく、色々なことを後悔しながら、支度をして壱哉さんと一緒にホテルのラウンジへ行った。
ラウンジでは遅い朝食が食べれるらしく、窓からはホテルの庭が見えて噴水と緑が見えた。

「卵は何になさいますか」

「えっ！？卵！？」

卵に種類があるの？

「日奈子の好きなのをここから選んで」

メニューを差し出してくれた。

「どっ…どれにしよう」

「迷っているのは？」

「オムレツとスクランブルエッグで」

チーズが入ったオムレツと炒め玉ねぎが入ったスクランブルエッグで迷っていると、壱哉さんが店員さんにさっと答えた。

「じゃあ、オムレツとスクランブルエッグを」

「かしこまりました」

オムレツとスクランブルエッグをきちんと半分ずつにわけて持ってきてくれた。

「あ、ありがとうございます」

ウエイターさんにお礼を言うと、微笑みながら会釈し、去って行った。
はー……これが、一流ホテルのサービスですか。
驚くなぁ…。
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