The previous night of the world revolution~T.D.~
『天の光教』の残党、と聞いて。

『天の光教』の幹部共が、また別の宗教団体でも作ったかと思ったが。

そうか、そう来たか。

「政治組織…。成程、つまり共産主義的思想の集団ってことですか」

「理解が早くて助かる」

伊達に、下らないことばかり勉強してる訳じゃないからな。

しかし、ルチカおばさんはざまぁだな。

あれだけ「人を愛して…」とか言ってた割には。

引き継がれた教義は、政府に対する批判だけだったみたいだぞ。

ざまぁ。

一生ブタ箱で臭い飯食ってな。

「『帝国の光』の党員は、帝都にいる若者が中心らしい。そこから地方へと、味方を増やしている」

「へぇ」

血気盛んな若者達が、我こそがこの国を変える、と意気込む。

案外ルアリスみたいな奴は、何処にでもいるのかもな。

まぁ、そういう政府運動を起こすのは、大抵若者だ。

老い先短い間糞ジジィ共は、我が身を守るのに精一杯で、これからのことなんて考えないのが常だし。

あぁ嫌だ嫌だ。

「帝国騎士団としては、このような政治組織の存在は、非常に困る」

「でしょうね」

これから先、ルティス帝国も共産主義に向けて革命!なんて事態にもなりかねない。

そしたら、ルチカおばさんは刑務所から晴れて釈放されんのかな。

「そこでだ、ルレイア。そして『青薔薇連合会』幹部の諸君」

「何ですか」

アイズが答えた。

「『帝国の光』の動向を探る為、我々に協力して欲しい」

「…」

アイズは、即答を避けたが。

俺は、

「…ぷっ」

耐えきれずに、思わず吹き出してしまった。
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