The previous night of the world revolution~T.D.~
第一部1章
――――――…俺の名前は、ルーシッド・デルマ・スヴェトラーナ。
帝国騎士団四番隊隊長である。
今年の春から、俺は帝都にある、国内屈指の難関大学、王立ルティス帝国総合大学に入学することになった。
学生生活を始めるに至って、俺はとある人物と共同で、マンションを借りることにした。
ルームシェアという奴である。
とりあえず、ここまでは良しとしよう。
いや、ここまででも、充分ツッコミどころは満載だと思うけど。
ここまでは良いということにして欲しい。
何故なら。
俺にとっては、もっとツッコみたいことがあるからである。
それは、今日から俺のルームメイトになる、とある人物に帰来する。
「あ、それはそこの部屋に。そっちはチェストに収めて…。…車?あぁ、この間会員が貢いできたアレですか?要らないんで持って帰ってください」
「はい、ご主人様」
「畏まりました」
リビングルームに(俺に無断で)設置された、超ゴシックな真っ黒のソファに腰掛け。
彼は、悠々と足を組み、大量の荷物を持った女性達を、指で指図していた。
そう、女性達を、である。
あんな重そうな荷物、女性に運ばせて、自分は手伝いもせず指図するだけで、悠々自適と座っているなんて…。
…それどころか。
「主様、紅茶をお淹れしました」
「あぁ、御苦労」
モデルでも出来そうなほどの美女が、彼の足元にかしずき。
彼の前に、そっと紅茶のティーカップを差し出した。
まるで下僕と王様だ。
更に。
「…ん?ルーシッドには淹れてやってないんですか、紅茶」
「はい、主様の分だけ…」
「この愚図」
折角紅茶を淹れて持ってきてくれた女性を、あろうことか酷い言葉で罵倒。
「彼は今日から、俺の大事なルームメイトですよ?俺と同じく、仕えるべき存在でしょう」
「申し訳ございません、主様」
「これは後で『お仕置き』ですね。夜になったら、俺の部屋に来るように」
「ありがとうございます」
何の話?
何の話をしていらっしゃるんですか?
夜にあなたの部屋で、何のお仕置き?
するとその女性は、くるりと俺の方を向き。
「ルーシッド様、今すぐ紅茶をお淹れします」
「え、いやそんな、紅茶なんて良いですよ」
「いえ、主様の命令ですので」
「…」
テキパキと、キッチンに向かう女性。
…を、一瞥もせずに、優雅に紅茶を啜るルームメイト。
…もう、呆気に取られるしかない。
「…あ、そうだルーシッドさん、ウォークインクローゼットは俺がもらうんで、宜しく」
「え?あ、はい…」
俺は別に、ウォークインクローゼットが必要なほど、衣装持ちではないので。
普通の、一人暮らし用の簡単なクローゼットがあればそれで事は足りる。
いや、そんなことより…。
「ご主人様、こちらの荷物は」
「あぁ、そっちの部屋に」
「ご主人様、こちらは」
「まぁ適当に片付けといてください」
「畏まりました」
ぞろぞろと、荷物の片付けに勤しむ大勢の女性達。
それどころか。
「ご主人様、お疲れではございませんか?マッサージでも…」
「そうですね。宜しく」
「ありがとうございます。では、失礼して…」
ルームメイトの足元にかしずき、彼の足を、まるで宝物でも扱うように丁寧にマッサージする女性まで。
そこまでしてもらっているのに、ルームメイトは興味なさそうに紅茶を啜るだけ。
…その姿は、まさに…ハーレムの王であった。
帝国騎士団四番隊隊長である。
今年の春から、俺は帝都にある、国内屈指の難関大学、王立ルティス帝国総合大学に入学することになった。
学生生活を始めるに至って、俺はとある人物と共同で、マンションを借りることにした。
ルームシェアという奴である。
とりあえず、ここまでは良しとしよう。
いや、ここまででも、充分ツッコミどころは満載だと思うけど。
ここまでは良いということにして欲しい。
何故なら。
俺にとっては、もっとツッコみたいことがあるからである。
それは、今日から俺のルームメイトになる、とある人物に帰来する。
「あ、それはそこの部屋に。そっちはチェストに収めて…。…車?あぁ、この間会員が貢いできたアレですか?要らないんで持って帰ってください」
「はい、ご主人様」
「畏まりました」
リビングルームに(俺に無断で)設置された、超ゴシックな真っ黒のソファに腰掛け。
彼は、悠々と足を組み、大量の荷物を持った女性達を、指で指図していた。
そう、女性達を、である。
あんな重そうな荷物、女性に運ばせて、自分は手伝いもせず指図するだけで、悠々自適と座っているなんて…。
…それどころか。
「主様、紅茶をお淹れしました」
「あぁ、御苦労」
モデルでも出来そうなほどの美女が、彼の足元にかしずき。
彼の前に、そっと紅茶のティーカップを差し出した。
まるで下僕と王様だ。
更に。
「…ん?ルーシッドには淹れてやってないんですか、紅茶」
「はい、主様の分だけ…」
「この愚図」
折角紅茶を淹れて持ってきてくれた女性を、あろうことか酷い言葉で罵倒。
「彼は今日から、俺の大事なルームメイトですよ?俺と同じく、仕えるべき存在でしょう」
「申し訳ございません、主様」
「これは後で『お仕置き』ですね。夜になったら、俺の部屋に来るように」
「ありがとうございます」
何の話?
何の話をしていらっしゃるんですか?
夜にあなたの部屋で、何のお仕置き?
するとその女性は、くるりと俺の方を向き。
「ルーシッド様、今すぐ紅茶をお淹れします」
「え、いやそんな、紅茶なんて良いですよ」
「いえ、主様の命令ですので」
「…」
テキパキと、キッチンに向かう女性。
…を、一瞥もせずに、優雅に紅茶を啜るルームメイト。
…もう、呆気に取られるしかない。
「…あ、そうだルーシッドさん、ウォークインクローゼットは俺がもらうんで、宜しく」
「え?あ、はい…」
俺は別に、ウォークインクローゼットが必要なほど、衣装持ちではないので。
普通の、一人暮らし用の簡単なクローゼットがあればそれで事は足りる。
いや、そんなことより…。
「ご主人様、こちらの荷物は」
「あぁ、そっちの部屋に」
「ご主人様、こちらは」
「まぁ適当に片付けといてください」
「畏まりました」
ぞろぞろと、荷物の片付けに勤しむ大勢の女性達。
それどころか。
「ご主人様、お疲れではございませんか?マッサージでも…」
「そうですね。宜しく」
「ありがとうございます。では、失礼して…」
ルームメイトの足元にかしずき、彼の足を、まるで宝物でも扱うように丁寧にマッサージする女性まで。
そこまでしてもらっているのに、ルームメイトは興味なさそうに紅茶を啜るだけ。
…その姿は、まさに…ハーレムの王であった。