劇薬博士の溺愛処方

 性交用のローションにもメントール系のクールタイプや、唐辛子エキスが入ったホットタイプなど、コンドーム並みにバリエーションが豊富だったりする。琉が使いたいと薬局の棚で指差した商品は、シンプルなものだが、彼に全身をヌルヌルにさせられて身体のあちこちを愛撫されていると、まるで媚薬成分でも入っているのではないかと思ってしまうほどの快感に襲われてしまう。

「さっきはローターでイけなかったんだよね、これだけヌルヌルにしたら胸だけでも達することができるんじゃないかな?」
「っあん……き、かいはイヤぁあ……っ!」

 ぴとっ、とローターを乳首にあてられ、ふたたび刺激を与えれば、すでに勃ちきっていた乳首は熟れた果実のような朱鷺色へ変え、三葉の視界をも淫猥に犯していく。
 天井と両側の壁の鏡に映る淫らな自分は、愛するひとに押し倒され、ヌルヌルの状態でローターを胸にあてられ、下半身の茂みの奥を指先で探られてひどく感じている。
 眩しいと感じたのは鏡の向こうで快楽に溺れる自分かそれとも脳内で軽く爆ぜた絶頂の兆しのせいか……
< 69 / 116 >

この作品をシェア

pagetop