人間を好きになった、魔界の王の娘
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あたしは、なんでこの世界にいるんだろう?
何で、普通の女の子にはなれないんだろう?
この国にいる限り、ずっと思って生きていくのだろう。
こんな思いは、あたしだけだったのだろうか?

父も母もいる。
弟もいるのに、あたしは、この国で、この世界で1人ボッチだ

同じ年の魔界にいる子は、次々と成果を出してくる。
バンパイアも、サキュバスもインキュバスも
皆、魔力をコントロールして成功していくのに
あたしは、魔力のコントロールさえ、出来ないままだ

魔界の門番、サタン
サキュバスもインキュバスも人間を餌にして
生殖、繁栄している者もいる

そして、この世界には、魔物も生息している。
人間に悪夢を見させるナイトメア。
あたしは、実物を見たことがないから何も分からない。
けど、一説には、堕天使たちの使い魔とも言われているし
動物の形をして、人間たちの夢を覗くともいわれている

「お嬢様」

「おはよう」

「はい」

あたしは、この魔界の者たち総てを統括している者
魔王の娘だ

「王より、伝達がございます」

お父様からの伝達なんてただ1つ

「どうせ、婚約して早く一族の繁栄をとか言っていたんでしょ」

「はい。
今回、婚約者に選ばれたのは、インキュバスです」

インキュバスか・・・

「ごめん。出来ない」

「しかしっ」

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