人間を好きになった、魔界の王の娘
2

「ここは・・・?」

家の前にある札を見ると、"桜木"と書かれた看板

「おい」

え?

誰?この人

「お前、誰?人ん家(ひとんち)の前で何してるわけ?」

ボケーっとしていると

「おい。人の話聞いてんのか?」

「あたしは。水上彩か桜木大我と言う人を探しているの」

「あ?水上は俺の家の名字だ。お前のような女が知り合いや親戚に
いるなんて聞いたことねぇぞ」

シリアイ?
シンセキ?

「それと、桜木大我は、俺の言っている大学の理事長だ」

この世界にも学校ってあるんだ

「で?」

「で?」

「お前は一体何者?」

「あたしは」

名前を言おうとしていた時だった

ガチャとドアが開いたと思ったら、出てきたのは、お母様と
同じくらいの女性

「悠翔(ハルト)何を家の前で・・・
麗奈・・・?」

お母様を知っている人・・・?

「麗奈っ桜木麗奈よね?」

あたしに駆け寄ってきてくれた女性

「ごめんなさいっ桜木麗奈は、あたしの母です」

「じゃあ、貴女が、麗奈の娘なの?」

「はい。奈未・・・白井奈未といいます」

「そう。麗奈は、約束を覚えていてくれたのね」

約束・・・?
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