人間を好きになった、魔界の王の娘

3人が帰った途端に静まり返ったこの家
お母様はもう来ないと言ったけれど
きっと、何かあれば来るのだろう

さっきのお母様の言葉が本当でも嘘でも
どうでもいい。
お父様の言葉だって同じだ

あたしの味方だと言っても、そんなの
口から出まかせの可能性だってある

「リズ」

「何でしょうか。お嬢様」

すっと来れるあたり
お父様たちと一緒に来ていたのだろう。

「魔界に帰って、魔王城を見張っていて」

「!?お嬢様!?何を言っているか」

分かっているのか
そう言いたいのでしょう?

「あたしは、魔王城の人間を
リズ以外、誰も信じていないのを知っているでしょう?」

「そうですが・・・っ」

「お父様の言葉もお母様のあの言葉も
あたしが、すぐにはい。そうですか。って
信じているとでも?」

「思って等おりませんが」

「だったら、お願い。魔王城を見張っていて」

「畏まりました」

すっと消えて行ったリズ
ヘタをすれば、殺されてしまう命令なのに
聞いてくれたリズ。

「馬鹿な子」

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