秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
千佳は両手に買い物袋を抱え帰ってきた。

「真帆。はい。これ飲んで。」

渡されたサイダーを飲むと胸元から胃袋にかけてとてもすっきりする。

「美味しい!」

「でしょ?真帆はこっち系が食べられるのかなって。」

「ありがとう。」

「真帆はいつも私のことを助けてくれてたよね。今度は私の番。私が真帆を支えるよ。真帆の思うようにしたら良いよ。」

「うん。」

千佳が作ってくれた素麺は生姜を効かせたせいか、千佳が作ってくれたせいかとても美味しく食べられた。

「千佳は…堕ろそうって思ったことある?」

「一瞬ね。でも…赤ちゃんの心臓見てたら出来ないって思っちゃった。」

「真帆。でも人それぞれだよ。1人の人生背負うんだからちゃんと考えて。未婚の母になるってことはそれ相応の覚悟が必要だよ。自分も強くならないと。」

「うん。」

「彼に相談すべきと思う。けどもうこの前のこともあるし真帆にアドバイス出来ないよ。頑張って、ばかりじゃダメだもん。自分が頑張らないと続かないのは遅かれ早かれダメになる。お互い曝け出してからがスタートラインだよ。」

「うん。ちゃんと考える。」

「よし!じゃ、帰ろうかな。」

「ありがとね。」

「冷蔵庫に真帆が食べれそうなもの入れといた。冷凍庫もシャーベットが入ってるよ。」

「シャーベット!食べたいかも。」

「でしょ?色々試して。脱水だとつわりが酷くなるから少しでも良いから飲んでね。」

「うん。」 

千佳は旦那さんに連絡すると迎えにきてもらっていた。
私はともくんに会いたいけど元気がない。

「ともくんに会いにまた行かせてね。」

「もちろんよ。」

「本当に何かあったら連絡して。連絡が来ないで真帆が1人で泣いてる方が辛いから。」

「うん。」

旦那さんから到着したと連絡があり、千佳は帰って行った。
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