御曹司がくれた甘い魔法
誘惑

お昼休み

今日は久しぶりに真理子とランチを食べようと、外に出ていた。

大きな横断歩道で、信号待ちをしていると、黒い高級車がクラクションを鳴らした。
私達は驚き車の方を見ると、ゆっくりと後部座席の窓が開いた。


「芽衣さん!偶然だね---」


私に声を掛けたのは、先日のパーティーで声を掛けて来た九条社長だ。


「------あっ、九条社長、先日はありがとうございました。」


九条社長はニコリと微笑み、車を運転手に停めさせた。


「芽衣さんもお友達もこれからランチかい?よかったら一緒にどうかな?」


私達は丁重にお断りしたが、私だけは許してもらえず強引に車に乗せられてしまった。


「芽衣さん、べつに襲ったりしないから、ランチくらい付き合ってくれてもいいだろ?」


疑っているわけではないけれど、私は九条社長が既に苦手だった。
妙に妖艶な雰囲気にクラクラしそうだ。

ランチを食べながらも、九条社長は私をジッと真正面から見つめている。
男性に対して免疫も無いし、ましてや深いグレーの綺麗な瞳に心臓がドクンと鳴る。


「芽衣、君は本当に可愛いね。藤堂が夢中になるのが分かるよ。」

「な-----な-----何を仰っているのでしょうか?止めてください。私はそんなに可愛くありません。」


九条社長は口角を上げて、妖しく微笑んだ。


「君みたいなタイプは初めてだ。僕のものにしてみたいな…」

「ご----ご馳走様でした----私は---失礼致します----」


逃げるように立ち上がるが、九条社長に腕を掴まれる。
困っている私を面白がるように、クスクスと笑い始めた。


「---は----は----離してください。何をするのですか、大きい声出しますよ!」


九条社長は、ますます大きく笑い始めた。


「芽衣、大人しそうに見えて、なかなか気が強いんだな。ますます興味が出て来たよ---」



どうしたら良いのかと困り果てている時だった。


「九条社長、悪いが芽衣から手を離してもらえませんか?」


優斗さんが息を切らせて来てくれた。
恐らく真理子が優斗さんに伝えてくれたのだろう。
九条社長の会社は、飲食やホテル、リゾート開発等を手掛けている。
その中で、比較的近い場所に目星をつけて、このレストランを探してくれたようだ。


「藤堂、いつも良いところで現れるね---残念!」


優斗さんは私の手を無言で掴むと、店の出口へと歩き始めた。


「芽衣ちゃん、またね---僕は諦めないよ--!!」


九条社長は後ろで意地悪な笑いをしながら手を振っている。

優斗さんは自分の車に私を乗せた。
無言のまま何も言ってくれない。
九条社長とランチに行った私を怒っているのだろう。


(---どうしよう、優斗さんがこんなに怒るなんて---)


「優斗さん、申し訳ございません---」


しばらく何も言ってくれなかったが、少し時間をおいて大きく息を吐いた。


「芽衣、君は警戒心が無さすぎる。今回は間に合ったから良いけど、もし俺が行かなかったら九条のことだ、どうなっていたか分からないよ!」

「----はい。気を付けます---」

「君は、自分が思っている以上に可愛い。自覚してくれ、それに俺にはライバル心を抱いている奴も沢山いるんだ。」



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