【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
【12.元カノの嫉妬】


 それから数日経った日のことだった。

 元カノがまだ藍の元へと来ていると藍から聞いたわたしは、元カノが藍に寄り付かないように、わたしも一緒に駅まで送ることにした。 
 悪い虫が寄り付かないようにするには、わたしが追い払うしかないと思ったからだ。

「藍、あの子……だよね?」

「ああ」

 藍の隣を並びながら歩くのは、なんか不思議な気分になる。

「あの子、毎日いるの……?」

「ああ。二度と来るなって念を押したけど、言うことを聞いてくれない」

 そうなんだ……。てかあの子、結構若そうじゃない?

「藍。あの子、何番目の元カノ……?」

 と聞くと、藍は「何番目とか言わないでくれ」と言葉を返してきた。

「あの子、なんでそこまで藍のことを……?」

「俺にも分からない」

「分からないって……。なんかないの?心当たり」

 と問いかけるけど、藍は「心当たりか……。ないな」と答えた。

「心当たりないなら、何で付きまわれてる訳?」

「そんなの、俺が聞きたいくらいだ」

 藍は後ろからわたしたちを見つめる元カノを見て、そう答えた。

「藍、何かしたの?」
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