【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈改稿版〉


 わたしはお義母様に「ありがとうございます」と微笑んだ。

「透子さん、無理はしないでくれよ。身体に障ったら大変だ」

 高城明人からもそう言われ、わたしは「分かっていますので、大丈夫です。ご心配なく」と答えた。

 高城家にとっては、わたしたちの赤ちゃんは念願の孫だ。そりゃあ嬉しくない訳がないだろう。
 何より将来、この子が男の子だったら、高城ホールディングスの跡を継ぐ可能性だってある訳だし……。高城家にとって、この子は貴重な子供だってことだ。

「そうか。ならいい」

「父さん。透子のことは俺がちゃんと見てるから、心配しなくても大丈夫だって」

 そんな会話を聞いた藍が、口を開くと、藍の父親は「しっかり守ってやるんだぞ、藍。お前は父親になるんだからな」と釘を刺していた。

「分かってるよ。心配するなって」

 そんな親子の会話を聞いていると、なんだか家族になれるのか不安になる気がする……。

「透子さん。何かあったら、いつでも遠慮なく言ってね?力になるから」

「はい。ありがとうございます」
  
 妊娠中のわたしは、こうして出産までみんなに支えられていくんだな……。
 と、この日わたしはつくづく実感した。
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