【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
と言うと、藍は「俺よりも、透子の方が心配だよ」と言ってきた。
「え?」
「だって透子、妊娠中だし。何かあったら大変だろ?」
と言われたわたしは、藍に「大丈夫だよ、わたしは。検診でも特に問題なかったし」と言って、フルーツを食べる。
「それでも俺は、透子のことが心配なんだよ」
「……ありがとう。心配してくれて」
「おう」
朝ご飯を食べ終えた藍は、仕事に出かける準備を始めた。
「透子、ネクタイ締めてくれるか?」
「……うん。いいよ」
わたしは藍のネクタイを締めてあげようと、シャツに手をかけた。
するとその時、藍はわたしの唇をいきなり奪ってきたのだった。
「んんっ!?」
不意にキスされたわたしは、目を見開いてしまった。
「さっき、キスしてもらえなかったからさ」
と、ニヤリと笑いながら藍は言った。
「バカ……。不意打ちはやめて……」
わたしはそのまま藍のネクタイを結ぶと「出来たよ」と言って藍から離れた。
「照れるなよ、透子」
「はぁ?照れてないから……」
「可愛いな、透子は」
いつもそう言うんだよね、藍は……。