【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。あの、皆さん、もう普通にしてください」
「マリアーナ様、またお会いできてうれしゅうございます」
「お帰りなさいませ」

 顔を上げた女性神官達が口々に言う。みんなが予想していたよりもずっと明るい表情なのがうれしかった。





 * * * * *





 モーリーンが聖宮に戻ってきたのは、日が落ち暗くなってからだった。

「モーリーン様!」
「どうかお待ちくださいませ!」

 女性神官達は入ってきたモーリーンを止めようとしているようだ。
 叫び声が廊下から扉越しに響き、徐々に近づいてくる。

「何よ、なぜあたしが聖宮に入っちゃいけないのよ!?」

 バタンと大きな音を立てて、聖女の部屋の扉が開いた。

「…………」

 わたしを見たモーリーンは目を見開いて立ち尽くした。

「……マリアーナ!?」



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