【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
 さすがに誰よりも早く落ち着きを取り戻した神殿長が儀式の成功を祝した。

「聖なる水晶により、女神レクトマリアの御心が示された。聖女マリアーナとレクトマリア神聖王国に幸いあれ」

 パラパラとまばらに始まった拍手が、やがて大広間の中に大きく響きわたる。
 これで聖女継承の儀が無事に終わったのだ。
 わたしは人々に気づかれないように、細くため息を吐いた。





 そう。
 聖女継承の儀が終わり――
 これから、初夜の儀が始まる。



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