【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
『……わかったわ。聖女制度はやめましょう』

 意を決して国王陛下に話しても何も変えられなかったのに、女神様に直接叶えてもらえるなんて。
 そのうえ、お詫びの言葉まで……。

『ごめんなさいね。つらい想いをさせてしまったのね』

 いや、言葉だけじゃなかった。

『わたくし、お詫びになんでもお願い聞いちゃうわよ!』

 そして女神様は、なんと言っていたんだっけ……。

『眷属神ヴォルフと聖女マリアーナの結婚を認めます! ついでに寿命もそろえちゃう! 末永くお幸せに!!』

 結婚……寿命……。
 ――って、寿命?

『違うの? でも、もう祝福しちゃったし、取り消せないわよ?』

 はい?
 寿命をそろえたって、なんですか……?
 わたし……わたし、人間じゃなくなっちゃったの!?

「えぇぇぇぇ!? ……ヴォルフ! ヴォルフー!!」

 階段をガタガタガタッとのぼる音がして、ヴォルフが飛びこんできた。

「どうした!? 何があった!?」
「あ、ヴォルフ……」

 伸びてきた腕にすがりつく。

「大丈夫か?」
「大丈夫……」
「危険なことはなかった?」
「うん、何もない。……けど」
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