【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
 ヴォルフの脇に顔をうずめる。優しい手が頭を撫で、すうっと髪をとかしてくれる。

「………………」

 ――突然。
 その手がピタッと止まった。

「……どうしたの?」

 深々と息を吐くとヴォルフは急に寝台の上で起きあがり、わたしの体にしっかりと毛布を巻きつける。
 えっと、もしかしたらこれは……。

「来たな」

 部屋の真ん中に白い閃光が走った。これまでにないくらい、まぶしい!

「おはよう、新婚さん! わたくしを呼ぶ声がしたので来ましたよ~」
「呼んでない!!」

 現れたのは、やっぱり女神レクトマリアだった。
 だけど、え……?

「白い玉、じゃない!?」

 そこにいたのは……絶世の美女だった。
 見たこともないほど神々しく美しい妙齢の麗人。

 まぶしく輝く金の髪は足もとまで届き、涼やかな水色の瞳は水面のように揺らめいて、神秘的な魅力に惹きこまれてしまいそう。
 優雅な白い紗のドレスが女性らしい体の線を強調している。清らかなのに艶かしい。

「女神、様……?」
「うふふ、おはよう、マリアーナちゃん。あなたも色白で綺麗よ?」
「えっ?」
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