【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
 しばらくそれを見ていたヴォルフがわたしを振り返って微笑んだ。

「俺には我が家の聖女を守る使命があるからな」
「わたしは一人で待っていても大丈夫よ?」
「俺が一緒にいたいんだ」

 たくましい腕にぎゅっと抱きしめられる。
 ヴォルフはわたしの体を舞台が見えるように前向きにして、後ろから包みこんだ。耳もとに、低いささやき声。

「ずっとそばにいる。子供達が大人になって巣立っていっても、俺はそばにいるから」

 子供達の成長に一瞬さみしくなってしまったのを気づかれたかしら。
 わたしの胸の下で交差されたヴォルフの腕を軽く抱きしめた。

「ふふ、まだ気が早いわよ」
「そうだな。もっと子供が増えてもいいしな」

 な……ヴォルフ、ちょっと声が色っぽくなってるんですけど!?

「それもまだ早いわ!」

 いきなり言われた夜の夫婦の時間を連想させる意味深な言葉に真っ赤になってしまった。

 ヴォルフは笑って口づけてきた。
 背後からのしかかってきたヴォルフの軽い口づけは、やがて深く激しくなり……。

「だめよ、人が見てるわ」
「平気だ。みんな舞台に夢中で気にしてないさ……」

 真っ白な花びらが舞いあがる青空のもと。
 人々の大きな歓声の中で、わたしは愛と幸福に満たされてそっと目を閉じた。





 * Happily Ever After *
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