千の恋よりも、あなただけ
セカンド・ラブ
映画の誘いを断ったあとも、ジローくんは変わることなく帰りは送ってくれて、会話の楽しさも変わらなかった。

そして、いつもの帰り道。

私は、地元の彼とやっと決別したこと、そして、

「もしジローくんの気が変わっていなければ…この間誘ってくれた映画に行ってくれますか?」

そう伝えた。

ジローくんは、別れたということに対して、

「大丈夫?」

と心配したが、私の表情に一転の曇りもないことに気づいたのだろう。

微笑んで快諾してくれ、この時、ようやく連絡先を交換するに至った。
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