悪役令嬢の復讐マリアージュ
めちゃくちゃ
そして週末。
残業して2時間ほど経った頃、例のごとく大貴と話していたら……
8号機エレベーターが4階で停止したため、すぐに現場に向かうようにと無線が入った。

そこは営業部の、楓くんが身を置いてるフロアで。
心配で気を取られた私は……
つまずいて、片付けてたファイルボックスをぶちまけてしまう。

「わ〜!何やってんだよっ」
すかさず大貴が、散らばったファイルを拾い始めた。

「あああっ、だいじょぶだから行って!
緊急事態なんでしょっ?」
諭すように促すと。

「そーだけどっ……
わかった、ごめん!」
拾った分をこっちに渡して、駆け出す大貴。

「ううんっ、ありがと!」

そうして、ファイルを片付けてると。
デスクの端に、無線機が置き去りにされてるのを発見する。
恐らく、ファイルを拾おうとして咄嗟に置いたんだろう。
だとしたら私のせいだし、ないと困るだろうし……
いざとなったら携帯があるから、取りに戻ったりはしないだろうと判断して。
全速力で大貴を追いかけた。

だけど、その人を目前にしたところで。
「大、うわっ!」
足がつって、床にダイブしてしまう。

ぎゃあああ!無線機だけはっ……
それを守りながらぎゅっと目をつぶると。
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