摩訶不思議
栞が帰ってから、抜糸をする事になっていた。

その時先生から胸の痛みが無くなったら退院かなぁと告げられた。

私もそろそろ 覚悟を決めなければならない。

病室に戻ると、また母と木村さんが来ていて2人は仲良さそうに大地くんの話しで盛り上がっていた。

「ただいま。」

「おかえり! 抜糸だったんだって?看護師さんから聞いたよ。」

「うん。ちょっと痛かったけど、傷口は塞がったよ! キズのあとは少し残るみたい」

すると聖一が友子に近づいた。
「どれ、おでこ見せて。 あ、ゴメン……」

「ふふふ。 ホラこんな感じだよ」
友子は前髪を上げて、聖一とお母さんに見せた。

「まだ痛々しいね。痛い? 大丈夫?」

「この縫った跡は 薄れるだろうし、女だから化粧で誤魔化せるから大丈夫だわ
ね! 友子。」

「うん。女優でもないし気にしてないよ〜! ハハハ!」
< 30 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop