摩訶不思議
翌日、聖一と大地くんがやってきた。

コンコン
「はい、どうぞ」 ガラガラと扉が開き、

「友子、調子はどう? 今日は約束どおり大地を連れてきたよ!」

「待ってたよ! 大ちゃん?」

「ホラ、大地。お母さんだぞ。」

「お母さん……。ケガとか大丈夫?」

「大ちゃん、おいで!」
友子は両手を広げて大地を呼んだ。

「お母さん! ゔ…ゔ〜」
大地は泣きながら友子に向かって抱きついた。

「ゴメンね、寂しかったでしょう。もう大丈夫だからね。 ヨシヨシ」
友子はぎゅーと大地を抱きしめて、頭を撫でてやった。

「お母さんね、お父さんや大ちゃんの事、事故にあってから忘れちゃったんだぁ〜ゴメンね。
こんなお母さんだけど退院したら大ちゃんとお父さんと一緒に暮らしても良いかな?」

「うん! 一緒が良い!」

「ありがとう。大ちゃん。
お母さんさ、大ちゃんのお友達や学校の先生やおうちの事も全部忘れちゃったから、今度からお母さんが困ってたら助けてくれる?」

「うん! オレが教えてあげるから安心して!だから、ぜったいウチに帰ってきて欲しい。」

「うん。ありがとう。そうするね。」

「お母さんが、死ななくて良かった。
なんも覚えて無くても、オレが教えてあげるからね。ゔ…」

「ありがとう。ありがとう。」

友子は大地の背中をさすって落ち着くのを待った。

「大地、お母さんと会えて良かったな。」

「うん。本当に心配で心配で……」

「そうだったんだね。 ゴメンね〜。
昨日、お医者さんから明日退院してもいいですよって言われたよ!」

「「本当!! ヤッタ〜、みんなでウチに帰ろう」」

「ふふふ。うん。みんなで帰ろうね。」

「オレも沢山おウチのお手伝いするからね!あ、お父さんもお手伝いしてよ!」

「え? うん。もちろんお手伝いするよ」

「ふふふ。2人共ありがとう。助かります。」
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