摩訶不思議
その後、数年経っても変わり映えしない給料。
年収400万もいかない…………
「ねぇ、お父さん。こんな給料じゃあ…やっていけないんだけど…」
「は? 俺だって朝から晩まで一生懸命働いてるんだ!それをこれ以上どうしろって言うんだよ!」
友子は コイツは家族の為にもっといい暮らしをさせてやりたいとか、いい家を建てようとか、何もないんだなぁと達彦を頼るのを諦めた。
そして、息子が3歳になったので、保育園に入れてパートで働く事にした。
パート代は、ほとんど生活費になった。
子供の小学校に入学の時も、リサイクルのお店で学習机を購入し、ランドセルも1万円の物を用意してやった。
それでも息子は、はしゃいで喜んでくれた。
知り合いからお下がりの入学用のスーツを見せると 「お父さんみたいな背広だ!」とシャケットを羽織って喜んだ。