ときめきの香りは貴方ですか?
【偶然の出会いは、ときめきの始まり】
今日はいよいよ入社式だ。
偶然の出会いで今日を迎えることが出来た。
そう、大学4年のあの日・・・

「いよいよだ・・・今日の面接は緊張するよぉ」
就活中の私、大学4年の風谷愛里(かざや あいり)は、今日、第1志望の1次面接を受ける。

何度も繰り返し練習した面接対応。
会社案内もホームページもほとんど覚えるくらいに読み返した。

あぁ、でも問題は、実践で発揮できるかだ・・・

いくつか面接を受けたけど、面接で会う人達は活発に見える。
私と対象的な学生に囲まれて、いつも物怖じしてしまう。

面接をしている自分を想像しただけで胸がずっしりと重くなった。

大学3年の頃、何となくしゃべるようになった数人の1人に、
「イベントスタッフのアルバイト、1日だけでいいからしない?人がいないみたいで・・・」
と声をかけられ、その日は特に出かけることもなく、欲しかった本を買いたいこともあって、やることにした。

野外イベントの案内役。
普段、1人で行動することが多かったから、あれこれ聞かれることに慣れなくて戸惑っていた。

対応が遅くて「もういいわ」と言われ、情けなくて途中で帰りたくなった。

でも、イベントが始まって、集まった人達の笑顔を見ると胸にこみ上げるものがあった。
そして何より、スタッフの人達がこの笑顔を見るために制作や運営を考えて、作り上げている事に感動した。
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