ときめきの香りは貴方ですか?
◆番外編◆~次はあなたへ~
今日は、制作部と総務部で結婚おめでとう会。

結婚式は家族だけだったので、なっちゃんと龍太が永富さんや久木さんに相談して開催してくれることになった。

さすがイベント会社だ。
会場内は華やかに飾られ、2度目の結婚式のようで胸がいっぱいになる。

「愛里ちゃん、どうよ!俺となっちゃんで考えたんだ」
「本当にありがとう!なっちゃん!龍太!」

なっちゃんが私に抱きつき、その後龍太が私に抱きつこうとすると、龍太が急に後ろにふらついた。

ふと見ると、優也さんに後ろ襟を引っ張られ、私から離された体制になった。
何か見たな、この光景・・・

「こらっ!愛里に抱きつくな。お前はすぐに抱きつくから」
「いいじゃないですか!俺ら同期ですよ!」
「同期だろうが何だろうが、男は男だろ」

優也さんは、龍太に手で追い払うようなしぐさであしらった。

「龍太!後でねえ!」
龍太は敬礼してその横でなっちゃんがあきれ顔で笑ってた。

2人と別れて、優也さんと挨拶に皆のテーブルを回る。
「おめでとう」「お幸せに」
みんなからの祝福の言葉に込み上げるものがあった。

永富さんの前に来た時に
「風谷さん、綺麗だよ。おめでとう」

その言葉を聞いて、入社してから今までの事を思い出す。

色々なことがあった。
そして、仕事を一から教えてくれて、いつも支えてくれた永富さん。
感謝の気持ちでいっぱいになり、涙が溢れた。

「永富さん、これからも末永く宜しくお願いします!」

すると優也さんが複雑そうな顔をして、
「何か永富さんとの愛の誓いみたいで嫉妬する」
といいながら私を後ろから抱きしめた。

永富さんと顔を見合わせて思わず笑ってしまった。

その後、皆でカラオケが始まったり、ゲームをしたりして時間が過ぎ、終わりの時間が近づいた。

私と優也さんは舞台へと向かい、皆に祝福の拍手を受けて挨拶をした。
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