✾~クールな天才脳外科医と甘~い極上の結婚を~✾
「やめてよ、菜緒酔い過ぎ。もうびっくりしたな~。……紫音、本当にごめんね。わかってる、私の為に悪者になってくれた事。だから謝らないで」


紫音は、沈黙したまま俯き続けたが、菜緒のグーで机を叩いた音にビクッと身体を揺らした。


「……違う。俺……莉子を裏切った。最低最悪の事した。でも軽蔑されて嫌われるのが怖くて莉子のせいにして逃げたんだ。……ごめん、本当にごめんなさい」


紫音は、そう言うと少し下がり土下座し続けた。


「……顔上げて。……ちゃんと説明して」


紫音は、目を赤くしながら数日前、私を裏切った経緯を何度も泣きそうになりながら話した。

要約すると私が短冊の最後の願いを叶える為、退院祝いに渡した婚姻届に大喜びも束の間、マリッジブルーとやらに。

その後、社内飲み会で泥酔した紫音とタクシーに同乗した女子にまんまとホテルに連れ込まれ……。

運悪い事に翌朝二人でホテルを出たところを、通勤中の朝陽君と菜緒に見られたそう。


「驚きすぎてマジ三度見したからね。更に歩道橋で神矢先生も見てたの気付いて……ワクワクしちゃった!」


……本音爆発。

隣でジロっと睨むと、とぼけた顔で視線をそらせた。
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