✾~クールな天才脳外科医と甘~い極上の結婚を~✾
「いい、本当だもん。紫音も巨乳に完敗。朝陽君も目撃者でしょ」


私は、溜息を吐き力が抜けた腕からサッと抜け、昨夜の事情聴取の事を簡単に話した。


「紫音の奴、口止めしたのに……」


「私は、真相が聞けて本当に良かった。お陰で罪悪感薄れてホッとしたし。……でも責めてない、私がそうさせたんだし。何より……」


罪悪感を感じながらも"正直に生きる!"そう奮い立たせていた決心が、揺るぎないものになった。


「何?」


「……また話す」


「……ああ。入ろう」


朝陽君は、クルっと私の向きを変えると、スッと背中に手を添えレストランへと歩み始めた。

私は、背中の温もりにこれまでにない安心感を抱き、彼にエスコートされる歓び噛み締めそっと右上の端正な横顔を見上げると、柔らかな微笑み返しに一瞬で桃源郷にいるような気分に包まれた。


「いらっしゃいませ、神矢様。お待ちしておりました。では、御席に御案内致します」


ビシッと背筋を伸ばした品の良い笑顔の年配の男性に迎えられ、高い天井に設置された豪華なシャンデリアの輝く高級感溢れる店内へと案内された。
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