最期の日、ふたりきりの世界で


......本当に、一瞬だった。

理生が私の後ろに回って、後ろから抱きしめる。

走ってきた男がナイフで理生を刺す。

背中にあった温もりが、消えた。


ナイフを持った男が、走り去る。

周りの人の叫び声。

我に返った私は理生の傷を私の上着で強く押す。

しばらくして聞こる救急車のサイレン。

運ばれる理生。

本当に一瞬だった。


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