その海は、どこまでも碧かった。

「あ…そーいえば、どーなった?海」



「なにが?」



「付き合った?」



アレから

ずっと気になってた



「まだ…」



正直ホッとした



「なんで?
何を悩んで…」



「キス…できるかな?私」



「あー…そんなこと気にしてんの?
そんなの、男に任せたらいいよ
考えすぎなくても…」



「私、碧くんと、キスしたことあるよね?
ほら、私が頑張った時とか
泣いた時とか落ち込んだ時とか
怒られた時も
キスしてくれたよ」



「あー、あるね…
アレは、小さい時だろ
そんなの覚えてなくてもいいよ」



「ん、忘れないよ
忘れたら、なんか、もったいない」



「もったいないって、なに?」



「だって、もぉ碧くんはしてくれないでしょ」



海がしてって言うなら…

ないか



今はオヤスミのキスだけ

海は気付いてないかもしれないけど

海が寝てからそっとしてた



海もしかして気付いてたのかな?って

今一瞬ドキッとした



よかった

バレてないみたいだ



「とりあえず付き合ってみたら?」



なに後押ししてんの?オレ

アホだろ



「うん…
碧くんがそぉ言うなら
付き合ってみようかな…」



え…


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