その海は、どこまでも碧かった。

合コン参加したら

オレも何か変わるかな?


今まで飲み会とか参加したことなかった


今回は本気のヤツ

なんでオレ来たのかな?



三咲のアパートにいる

オレ



ホントはこーゆーの来たかったのかな?

オレ



「みんな帰っちゃったね」



「うん」



いつの間にか

みんないなくなってた



盛り上がらなかったわけじゃなくて

ひとり消え

いつの間にかふたり消え

ここで1組できて

また消えた



気付いたら

オレだけ主催者のアパートに残ってた



本気で作る気なかった2人?



「風美くん、私たち残っちゃったね」



「うん
みんな、イイ感じだったね」



「ごめんね、私で…
風美くんは、私じゃ、ダメか…」



「ダメって何が?」



「風美くん、彼女作る気ないでしょ」



「あー…どぉかな…」



「誰でも良かったら、私にしないかな?って…」



そーゆー感じ?

残った者同士一緒になろうって?

そんな簡単なのかよ



「あー…
ごめん、まだ良く知らないし…」



「風美くんて、知ろうともしないし
きっと知っても好きにならないよね」



「…」



そぉなのかもしれない

それくらい海が好き



「女の子に興味ないわけじゃないよね?」



海にも同じこと言われた



「それは、どぉかな?
自分でもわかんない」



「風美くんてシスコンなのかなって思ったら
あの子、妹じゃないんだってね
同じ高校だった子に聞いた
あの子のことが好きなの?
何度か一緒にいるところ見た」



あの子…

海のことか



言えないけど

オレは海が好き



「いや…アイツ彼氏できそうだから…」



「報われない恋って哀しいよね」



「…」



オレ、好きって言ってないけど

心の声漏れてる?



「私の好きな人も奥さんがいる人だから
気持ちわかるよ
風美くん見てたら声掛けたくなった」



「不倫してるの?」



「してないよ
彼はそんな人じゃないから
優しく断わられた
バイト先の店長なんだ」



「気持ち伝えたの?」



「伝えたよ
伝えたって叶わないの知ってるのに
バカみたいだよね
そのうち忘れられたらいいな…」



「偉いね」



「なにが?」



「オレは伝えてもないし
忘れようともしてないから…
バカなのはオレだよ」



「風美くんは奪おうと思えば奪えるのに…
なんで黙って見てるの?
まだ間に合うんじゃない?」



「嫌われたくないし
ずっと近くにいたいから…
ズルいよね」



「近くにいすぎてわかないんじゃない?
1度離れてみなよ
他に目を向けたら何か変わるかも…
私のこと、知ってみない?」



名前も良く知らなかった

同じ学部の子



今日初めて話して

バイト先の店長が好きだって知った



知ってるのは

それだけ



海のことは

いっぱい知ってるのに…


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