その海は、どこまでも碧かった。

夕飯を食べて

宙の部屋に来た



ここだよね?

えっと、ノックかな…

インターホンないよね?

アパートじゃないんだから

やっぱりトントン?

トントントン?



私、緊張してる



〔部屋の前まで来たよ〕



宙にメッセージを送った



〔今あけるね〕



ガチャ…



「どーぞ…」



「うん…」



これで合ってた?



宙の髪が濡れてた

シャワーしたんだ



私もしてきてよかった

正解!



て、ことは…



「なんか飲む?」



「え、なんか?」



「オレ、買って来るから…」



「あ、いらない
私、大丈夫だよ
宙飲みたかったら飲んで!」



「じゃーいいや
大樹が残したコーラ飲む」



それって間接キス?

変なところ気になる



キスっていうワードが気になる



「今日、楽しかった?」



「うん、楽しかったよ」



自然な会話だよね?

変じゃないよね?

私たち



「大樹たち
お互いにお土産買ってたみたいだけど
ごめん、オレ海に買ってないわ」



「うん、約束してなかったし
昨日シロクマ買ってもらったから大丈夫」



「離れててもお互いのこと想いやるって
なんかいいよね…
大樹見てて思った」



たしかに

お土産選んでるユナも幸せそうだった



「あ、コレね
お土産じゃないんだけど
宙コレなら食べれるかな…って
北海道限定のポッキーなんだけど
甘くないから食べれる?」



「え、オレに?
いいの?」



「うん、一緒に食べよ!
夕飯食べたからお腹いっぱい?」



「食べれるよ」



「よかった
ハイ…」



「長!超ロング!
いただきます」



宙が口に咥えた



コレってもしかして…

反対側、私が咥えるヤツ?



え、でも長すぎるよね?

宙の唇に辿り着く頃には

口パンパンになってそう

リスじゃん!



「水瀬は?食べないの?」



「え…」



どーしよ…

でも宙に一緒に食べよって言ったの私だし

でもそんな意味で言ってなくて

でも宙に一緒に食べる?って誘われた



「ハイ…半分あげる」



宙が半分折って私にくれた



なんだ

そーゆー意味だった?



無駄に考えた

変な汗かいた



「なんか、嬉しい」



ポッキーを食べながら宙が言った



「ん?」



「今日、海がオレのこと考えてくれたの
なんか、嬉しい」



「うん」



「ありがと…」



「うん」



「ありがと…
今まで付き合ってくれて…」



「うん」



「あ、大樹たちそろそろ帰ってくるかも…
水瀬、部屋戻る?」



「あ、そーだね!
じゃあ、私、帰るね」



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