ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜

ホロ・イ・ムア

ピンポン、ピンポン、ドンドンドン!


鬼のようなドアのインターフォンの連続音と共に、ドアが何度も叩かれる音で目が覚めた。

『いらっしゃいますか!!二葉さん!!』

何だろ?
ん?なんか、焦げた臭いがする?

寝ぼけたままインターフォンの画面を見ると、なんと消防士さんがそこにいた。
食堂で毎日見ている『火の用心』のポスターをふと思い出す。消防士姿の久我大河とインターフォンの映像が重なった。
まさか、久我大河⁈そんなわけないか。

『火事です!!すぐに逃げて下さい!!』

は?火事?

慌てて窓をみると、夜の闇に真っ赤な炎と煙!!
ヤバイ!これ、めちゃくちゃヤバイ!!

私はバックにスマホと財布、預金通帳や印鑑そして大事な写真立てを突っ込んだ。それから思い出のムームーも手に取って部屋を出ようとした。
だけど、ドアはすでにすごく熱い。持っていたムームーを手にぐるぐる巻いて、力任せに体当たりして、何とかドアを開ける。

「あぁ、良かった!こちらです!」

私は消防士さんに助けられた。
あのまま寝ていたら、本当にやばかった。

安全なところに逃げてから、振り返って見る。ちょうど、私の部屋の隣から真っ赤な炎。消防車が放水している。

乾燥しているから、火の勢いがすごい。

結局、私の部屋にも火が回っている。危なかった。

< 113 / 234 >

この作品をシェア

pagetop