ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
水上先生が手を挙げた。
深夜だというのに、夕飯の時と同じ格好の長野先生が、こっちに向かって走ってくる。

「二葉!大丈夫なのか!」
「長野先生、来て下さったんですか?こんな時間にわざわざすみません」

長野先生の切羽詰まったような様子にこっちが驚く。水上先生、長野先生になんて言って知らせたんだろ?


「冬輝(とうき)、怪我の具合は?」
「あぁ、頬と、右手に浅達性II度熱傷。一、二週間もすれば治るよ」

水上先生の説明を聞きながら、長野先生はそっと私の頬を覆うガーゼに触れた。

「とりあえず、無事でよかった。びっくりしたぞ。確実に心臓が一瞬止まったな」
「ご心配おかけしてすみませんでした。この通りです。元気ですから」
「元気じゃないだろ?顔にやけどなんてかわいそうに。今日は、俺の家に泊まらせてやる。とりあえず、ゆっくり休め」
「え、長野先生の家に??」

思わず声が裏返ってしまった。女の子大好き長野先生の家だなんて、ありえない!絶対ヤバいやつ!

「いえ、いえ、お気持ちだけいただいておきます。長野先生、明日も早いですから、もう、帰って休んでください」

焦って断る私に、水上先生がクスッと笑った。

「日頃の行いを思えば、警戒されて当然だと思うぞ、長野。
さて、俺は仕事に戻る。二葉先生お大事にね。
もしかしたら、事務部長まだ仕事してるかもしれないから、連絡入れておくよ」

「水上先生、ありがとうございました」

水上先生は笑顔で医局に戻っていった。

さて、私もとりあえず自分のロッカーに着替えを取りに行こう。
< 115 / 234 >

この作品をシェア

pagetop