ツイてない!!〜But,I'm lucky to have you〜
「なるほどそれが原因かもしれませんね。
でも、涼音ちゃんが張り切ってしまう気持ち分かるかも。おばあちゃんの結婚式に孫が参列出来るなんて、貴重な経験だもの。
還暦で、子供や孫にかこまれてハワイで結婚式。自分が築いてきた家族に祝福されながら、ひとつ区切りがつけられるなんて、すごく素敵なことですね」

「そう?還暦のばあさんのウエディングドレスなんて、どうなんだろうね。ドレスは姉の担当だから僕は見てないんだ。今から不安だよ」

丹下さんは、そんな毒舌を吐きながらも、満更でもない様子。家族関係は、良好なんだろう。



タクシーが市街地についた。とりあえずホテルの前で降ろしてもらうことに。

「さ、お勧めのお店はすぐそこだから。スーツケースをホテルに預けたら、行きましょう」

丹下さんは、ホテルに入り、流暢な英語でホテルマンに話しかけ、スーツケースを預けた。
本当に、ネイティブかと思うくらいに英語が上手い。すごいなぁ。

「お待たせしました。じゃ、行きましょうか」

丹下さんは、ホテル前の通り沿いに見える看板を指差して歩き出した。慌てて後を追いかける。
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