ツイてない！！〜But,I'm lucky to have you〜

「びっくりしました。ピアニストに弁護士っていうだけで立派だと思うのに…なんか、住む世界が違う…」


自分がとてつもなくちっぽけな人間に思えた。


「そんなことない。二葉さんだって、立派なお医者様じゃないですか。
俺なんて、もとはアリオンの平社員ですよ。転職して失敗して、紆余曲折あって、初音のマネージャーになった。ごく普通の人間です。意外と、華麗なる一族も普通の家ですよ？」

そう涼さんが言ってくれたけど。

そうかなぁ。
かっこよくて、弁護士で、御曹司でなんて揃いすぎている。そんな人と付き合っていくなんて本当にできる？しかも、当分はニューヨークと東京と遠く離れていなきゃならないんだよね。不安しかない。

やっぱり、これはバカンスでの短い恋だと割り切ったほうがよさそう。
そもそも、私の人生に恋愛という言葉はない。これは、三泊五日のハワイが見せてくれた魔法の時間なんだ。そう思っていたほうが、きっと傷つかずに恋が出来る。