リリィ・ホワイトの愛が目覚めるまでの日記
 子供の頃から一生を添い遂げる為に存在した彼女。 その与えられた運命に、幸せを感じていた。 だから今の現状は自分が望んだ未来なのだというのが信じられない気持ちでもある。

 確かに俺はリリィ以外の伴侶を考えた事はなかったはずなのに、彼女が昏睡状態から目覚めない絶望の中で光るロージーの甘い美しさに惹かれた。
 ふと、思う事がある。
 俺はもしかしたらリリィの代わりだと考えていたのではないだろうか、と。

 再びロージーがこの邸に住まうようになって暫く経った頃、意図したわけでなく思わず言った事がある。

『リリィは花壇に咲く花が好きだった』

『私はお姉様のそんな姿が好きではありませんでした。 楽しそうなのを眺めるのは好きでしたが、私はお世話ができませんもの』

 ロージーの悲しみが伝わって来た。
 姉が去った事実と、自分が置いていかれた衝撃。 まるで見捨てられたと感じたのかもしれない。
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