リリィ・ホワイトの愛が目覚めるまでの日記
二人だけの時間
×月×日

 王宮勤めのロナウドには休みらしい休みなど存在しない。

 この国の王族の権威と誇りを守るのが仕事で、昼夜に渡って神経を張らせている。
 後には王族の側近として重要な役目を担う事になるだろう。 上位ではない彼が任されるのは、それだけ信頼されている証といえる。

 そして何よりロナウドは王家の情報を易々と漏らすような人間でもない。 だからこそ他者より抜きん出た仕事ができるのだ。

 今日はそんなロナウドの休日。

 滅多に休みを取らない真面目な彼に上役が与えた貴重な憩いだ。

 指定席となっているテラスの、いつもはいない時間に彼がそこにいるのが嬉しくて、お茶とケーキが特に美味しく感じてしまう。

 それだけではない。 心なしか空気までが美味しく感じるのだ。
 芝ばかりの何もない庭なのに、ロナウドと二人でそこにいると、まるで現実にはない花々が咲いているような気がする。

 きっと彼が私の心を潤してくれているのだろう。
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