リリィ・ホワイトの愛が目覚めるまでの日記
 私の部屋には子供の頃の玩具やお父様に頂いた絵画が今もまだ残されている。
 その他にはドレスや帽子、靴などの身に纏う物が少々あるが、それらを保存するには幼すぎて意味を持たない。 数点の物以外は適当な施設へと送り、処分した。 だからあるのはお気に入りの宝石だけ。
 それはロナウドとの婚約が決まった幼き頃にシモンズ家より頂戴したブローチと、お母様のお下がりの首飾りだ。

 これはドレスで装った時に首回りを華やかにするだけではない。 お母様がやはり子供の頃にお母様より頂いたという、貴重な母の愛の証なのだ。

 首飾りをバッグに仕舞い、ブローチを胸元に着けた。
 鏡に映して見ると、ブローチの表面の模様が光っている。
 今まで気づかなかったが、それはアマリリスの模様だった。

「ロージーの好きな花……」

 神様は本当に意地悪だ。
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