逃げて、恋して、捕まえた
「じゃあ、お昼に行こうか?」
「はい」
お昼はいつも藍さんが誘ってくれるようになった。
平石物産は大企業だけあって社食も豪華で、お手頃。
その気になればワンコインで食べられるメニューがいくつもある。
「私は日替わりかな。芽衣ちゃんは何にする?」
「そうですねえ、日替わりはチキンかあ」
ちょっと迷うな。
「チキン嫌いなの?」
「いいえ、好きですよ。ただ、少し前にすごくおいしいチキンライスを食べてしまって、それからはどんなチキンを食べてもおいしいと思えなくて」
だから最近は食べていない。
「チキンライスって、ケチャップの?」
「いえ、シンガポール名物の」
「ああ、そっちか。確かに美味しいのを一度食べたらほかので妥協できなくなるってあるかもね」
「そうですね」
でも、きっと思い出すのはチキンライスの味というよりも奏多さんとの時間。
それが辛いからチキンは食べなくなった。
「どうするの?」
「今日はパスタにします」
日替わりパスタはミートソースだから、それがいい。
「はい」
お昼はいつも藍さんが誘ってくれるようになった。
平石物産は大企業だけあって社食も豪華で、お手頃。
その気になればワンコインで食べられるメニューがいくつもある。
「私は日替わりかな。芽衣ちゃんは何にする?」
「そうですねえ、日替わりはチキンかあ」
ちょっと迷うな。
「チキン嫌いなの?」
「いいえ、好きですよ。ただ、少し前にすごくおいしいチキンライスを食べてしまって、それからはどんなチキンを食べてもおいしいと思えなくて」
だから最近は食べていない。
「チキンライスって、ケチャップの?」
「いえ、シンガポール名物の」
「ああ、そっちか。確かに美味しいのを一度食べたらほかので妥協できなくなるってあるかもね」
「そうですね」
でも、きっと思い出すのはチキンライスの味というよりも奏多さんとの時間。
それが辛いからチキンは食べなくなった。
「どうするの?」
「今日はパスタにします」
日替わりパスタはミートソースだから、それがいい。