触れないで、杏里先輩!
亜季ちゃんの涙が治まってきた頃、


『ぐるるるる~~~……』


私の腹の虫が豪快に鳴った。

それに豪快に笑って返した亜季ちゃん。
杏里先輩は口元を押さえて笑いを堪えている。

……恥ずかしい!

私は顔を真っ赤にしてお腹を押さえて背中を丸める。


「とりあえず腹ごしらえ、しとこうか」

杏里先輩が差し出したのは、先程渡された袋。
またチョコクロワッサンが見えたから。

「でもこれ、杏里先輩のじゃ……」

「まだサンドイッチもあるし、足りなかったら購買に買いに行くから良いよ」

「……では遠慮なく、いただきます」

「どうぞ」
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