触れないで、杏里先輩!
昼放課。
チャイムと同時に私はお弁当を片手に抱え、無くなった防護壁の額を押さえながら、扉側の前から二番目の席にいる亜季ちゃんまで走る。

「亜季ちゃん、ランチは何処かで食べよう!」

「あれ?杏里先輩来るんじゃないの?てか、なんで額押さえてるの?」

「知らないし、行かない!それに亜季ちゃん、私以外に食べるお友達居ないし!額は髪の毛突然なくなってスカスカして落ち着かないの!」

「私も杏里先輩の味方したいし、隣のクラスに同中の友達居るから大丈夫!あと髪は無くなっちゃったから仕方ないし、無い方が可愛いから大丈夫!」

「全てが全然大丈夫じゃないっ!」

酷いよ、亜季ちゃん!
一ヶ月で培った友情をあっさりポイ捨てだなんて!

私は立ち上がった亜季ちゃんの腕をガシッと捕まえる。

「お願い!無理だよ!一緒に逃げて!」

「えぇ!?私だって杏里先輩を裏切れない!」

暫く二人で押し問答していたら、
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