一晩だけあなたを私にください~エリート御曹司と秘密の切愛懐妊~
昨夜と今朝の食事も父や兄とは別にしてくれた。
「ありがとうございます。昔の人は着物だったし、意外と平気かも。着ているとあったかいです。それに、今日は悪阻も治っていて体調もいいんです」
「きっとお母さんが見守ってくれているんじゃないかな」
「そうかも。私……これからお兄ちゃんや美久さんにいっぱい迷惑かけると思う」
美久さんに縁談を断るとは言っていない。
私が松本以外の男性の子供を身籠ってるから、これからどうするか察しはついているだろうけど、彼女には事前に話しておきたかった。
「松本との縁談、破談にします」
私の決意を伝えると、彼女は明るく笑った。
「うん。雪乃ちゃんが決めたことだもん。私は応援するし、迷惑になんて絶対に思わない。だって雪乃ちゃんは私の義妹だもん。私ね、ひとりっ子だからずっと妹が欲しかったの」
「美久さん……」
彼女の言葉に胸がジーンとなる。
「頼りない姉かもしれないけど、もっと甘えてくれたら嬉しいな」
義姉のリクエストを聞いて怜の顔がすぐに浮かんだ。
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