昼と夜の間で、僕らは手をつなぎ合う

「~い……っ」


すると、ジャストミート。本の角が、足の甲に降ってきてしまった。

やわらかい薄革の靴を履いていたものだから、痛みでその場にしゃがみ込む。


わたしはもう、やっぱりドジすぎる。

恥ずかしい。そして痛い。


「大丈夫?」

「……!」


自己嫌悪に陥ったとき、すぐそばで声がした。

伸びてきた手が、床に転がった本を拾い上げる。


デジャヴだ。文化祭のとき、自販機前でもこんなことがあった。

アゴを引き気味にした状態で、おそるおそる顔を上げる。


するとそこにあったのは、やっぱり隅々まで整ったお顔。


「……びっくりした。すごい偶然だね、永田さん」


その顔をふわりとゆるめて、ささやくようなボリュームで、雨夜くんが言った。


「……っ」


ああもう、本当に、なんて偶然だろう。

恥ずかしすぎる上に、まったく心の準備ができていない。


まさかこんなところで会うなんて。

図書室で待ち合わせるときは、これから話すぞって、前もって構えていられるけれど……。


カチコチに固まってしまったわたしに、雨夜くんはくすりと笑って。


「ここじゃ話しにくいし……少し、外に出ようか」


わたしの手を取って、立ち上がらせてくれた。


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