愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
あの日から怒涛ように時間が過ぎた。

結局あのまますぐ同棲の準備に入り、アキさんの家に引っ越した。

私が手続きする間もなくアキさんがほとんどやってくれた。
私がやったことなんてサインを書く程度。あと印鑑か。

ちなみに言うとあの日から私は一回も前の家に帰ってない。
本当にあのまま同棲することになったのだ。

凄まじいアキさんの行動力。

そして財力。
なんか怖くなってきた…。

そして会社も辞めることになった。
というのも、アキさんとの話し合いで石油王の秘書みたいな立場をやって欲しいと言われたからだ。
勿論給料もでるらしい。

金額聞いて驚いたのは、まぁ察してほしい。

会社に寿退社の旨は伝えているけど、すぐに辞められるわけではなく引継ぎの資料をつくったりとやることがある。
そのため一ヶ月ほどは会社に通わないといけない。

そのことはアキさんも理解してくれているから今日も私は会社に向かう。


「それじゃあアキさん行ってくるね?」
「あぁ。本当に送らなくていいのか?」

「むしろ会社に近くなったから大丈夫」


不服そうにするアキさんに口付けをし私は玄関を後にする。
・・・いってらっしゃいのキス。


「ふふ、なんだか新婚みたい。」


私はニヤニヤする顔を引き締め会社に向かう道を歩いた。
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