隣人と仲良し
9、別れ1

「何だかかんだ楽しかった。」

輪王 靭(りんのう じん)はいう。

隣人 土岐 尚人(とき なおと)は素直で絵を描くのが大好きな子だった。

家の中が尚ナオの変てこな絵でおおいつくされた。

ストレスを感じた時もあった。

けど、暗くブルーな日に尚ナオの絵で『何でもいいや』って思えた。

仲良くしてくれたお隣さんの尚ナオ。

別れを言ったらどうするだろうか?

え?靭ジンどちらかに行くんスか?

「引越しするんです。
 まぁ~実家に戻るんです。
 大学もそろそろ終わりますし、就職も決まったのでね。
 実家の方の仕事なんで、そっちに移るんです」

靭ジンは説明してくれた。

就職も決まり、何もかもウハウハだった。

だが、悩みはある。

どうやって尚ナオに別れを告げるか…。

「さらっと言ってしまおう」

靭ジンは決めた。

「輪リ~ン、手貸して」

尚ナオが靭ジンのもとへやってきた。

キレイになっている靭ジンの部屋。

「あ~れ?輪リン引越しでもするの?
 ダンボールがいっぱい」

尚ナオが気づいた!!靭ジン言ってしまえ。

今がチャンスだ、さらりといってしまえ~い。

「…いや、そんなことはないよ」

言えなかった、靭ジンの意気地なし。

「?そうなの?ってかさ、手貸してよ」

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