隣人と仲良し

暗くなる弱気な靭ジン。

弟・尚ナオのことばかりで靭ジンのことをそっちのけになってしまった香カオであった。

「ごめん。でも、尚もさ、私らと同じ年なわけで。
 大人なんだし、ちゃんと受け止めて笑顔で別れられるわよ。
 ちょうど卒業とか別れシーズンだし、大丈夫よ」

靭ジンの背中を思いっきりたたく香カオ。

「有り難う」

いちお、お礼をする靭ジン。

香カオにも言えたし、あとは尚ナオだけ。

ガチャ

「…あれ?開いた?」

カギを入れずに玄関のドアが開いたのだ。

「ただいま~?」

誰かいますか?と言う感じに恐る恐る靭ジンは自分の家に入っていった。

ドキドキと高鳴る鼓動。

ビビリな靭ジン。

「輪リ~ン!!おかえり。
 お疲れショーン」

ハイテンションな尚ナオがいた。

安心する靭ジン。

「何だ~、尚かぁ。
 泥棒がいるのかと思ったよ」

「ごはん作ったよ。
 ほうれん草のお浸しだよ」

ほうれん草のお浸しがメインのおかずのようだ。

「お~?うまそうだな」

「一緒に食べよう」

付き合いたてのカップルのような雰囲気。

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