暴君王子の恋の瞳に、私は映らない



「い…、いいよ。そんなの。
 遠回りになっちゃうし」



「だから、
 トレーニングになるって言ってるだろ?」



「でも……迷惑じゃ?」



「俺は、嘘でも彼氏なんだからな。
 オ・マ・エ・の!」



「…うっ」



「それくらいしねぇと、嘘がバレるだろ?」



「……そうだけど」




鞭光君と一緒にいられるのは、嬉しいよ。


嬉しい……けど……




肩を並べて登下校。



それが、女子たちの視界に入ったら

余計に、睨まれちゃいそうだよ……


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