暴君王子の恋の瞳に、私は映らない




私のアパートまで、肩を並べて歩く

私と鞭光君。




明日、学校で

友達に聞かれても困らないように



いつ、恋に落ちて

どっちから告白したのか。



お互いのどこが好きで

どんなデートをしたのか?



2人で、テレながら考えた。



できあがったのは

ドラマみたいな、ラブキュンストーリー。




「友達にグミとのことを聞かれたら、
 こんなハズイことを
 答えなきゃなんねぇのかよ?」



鞭光君は、だるそうな声を出した割に



「まっ。女払いには、効果大だな」



ポリポリと、頭を掻いている。





『鞭光君と両想い。

 それが、現実だったらいいのにな』




そんなことを、私が願っているなんて

鞭光君は、気づかないよね?



心の中が

大好きな望愛ちゃんでいっぱいの

暴君王子には……



絶対に……









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