暴君王子の恋の瞳に、私は映らない




私の隣を歩く鞭光君の足は

これでもかって程、長い。



必死について行く私の呼吸が

少し荒くなるほど。



鞭光君は、そんな私に気づいたようで

フッと笑って、歩みを緩めてくれた。



しかも、何も言わずに。サラッと。



紳士的なところもあるんだなと

感心して、心が躍ってしまう。


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